雨の季節に傘をさすように【家の屋根】

こんにちは。
皆様の家づくりを素敵な思い出に導く、家づくりコーディネーターの纐纈 泰章です。

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今年は例年に比べて雨が少なく、なかなか梅雨入りしませんね。
雨の日が好き!というかたはあまり多くはないと思いますが、
それでもある程度は降ってもらわないと、水不足など
夏に影響が出ますので困ってしまいますね。


梅雨入りが待ち遠しいですが、
雨が降った時にどうしても外に出かけないといけない。

そんな時、皆様ならどうしますか?


そうです、傘を差しますよね。


ではなぜ傘をさすのかというと...
もちろん、服やかばんを濡らしたくないからですよね。


何を当たり前の事を言っているんだ!


このコラムをお読みの皆様がここで読むのを止めてしまいそうですので(笑)
そろそろ本題に入ります。


人でいう「傘」は家に置き換えると「屋根」になります。


では、建物になぜ屋根があるかというと、
それは人が体や持ち物を濡らしたくないのと同じで、
外壁などを濡れにくくし家を傷みにくくするためです。


軒の出の深い屋根は大きな傘をさしているのと同じで、
外壁が濡れにくくなります。


だからと言って軒の大きな家が間違いない!とも言えず、
人によっては大きな傘は邪魔くさいなと感じるように、
大きな軒がお好きでない方もいらっしゃるかもしれません。


そんな時には防水性の高い材料を選ぶとよいでしょう。


いずれにせよ、降る雨は高いところから低いところに流れるので、
その流れに逆らわないような屋根のデザインが必要になってきます。


軒を長くして、軒下にバルコニーを付けるのも魅力的ですね。
いわゆるインナーバルコニーというモノです。


その際に、

『長い軒下のせいで室内が暗くなってしまう』

という悩みに直面したら、軒の上にトップライト(天窓)をつけ、
室内に明るさを入れることで解決することもできます。


いっそのこと、垂れ流しにすることもいいですね!!
一般的には軒先の樋を通して雨を集め、
竪樋で地上に降ろしてから排水していきますが、
場合によってはバルコニーの先端から垂れ流ししてしまうほうが
むしろ簡単だし安全かもしれないですね。


ただ、その際には外壁に垂れ流さないように工夫も必要ですが...


軒下の長さや屋根の形を変えるだけで、
自分が創りたい暮らしのカタチに変幻自在となると
家づくりもワクワクすることがたくさんあります。


屋根のカタチは家の外観、イメージをつくる大きな要素です。
自分のライフプランに合わせて屋根の形を変えてみるのもいいですね!






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ピンっと来ない...単位のお話

こんにちは。
皆様の家づくりを素敵な思い出に導く、家づくりコーディネーターの纐纈 泰章です。

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皆様は長さを測るときにはどのような単位で考えますか?


ほとんどの方が、センチやメートルといった表現をされるかと思います。
これはメートル法と呼ばれるもので、法律でも義務つけられており、
取引上の計量には国際基準であるメートル法を用いることとされています。


そのため建築業界も図面上にあらわされる長さや
面積の表示は全てメートル法となっています。
お部屋の広さは◯㎡など書かれているのをよく見られると思います。

ですが実際の建築現場ではどうかと言いますと、

「いっすんごぶ」

「さんじゃくごすん」

など暗号のような言葉が飛び交っています。


昔の日本では当たり前に使われていた単位、
「寸」「尺」「間」などのことを言っています。


この「寸(すん)」「尺(しゃく)「間(けん)」は
尺貫法と呼ばれる単位で、日本独自の単位になります。


なぜ建築現場では未だに昔の単位が使われているのでしょうか?


それはこの昔の単位には人の体にフィットするような
柔軟性が秘められているからです。


起源から見てみるとその秘密がわかります。

メートル法の起源は1791年に、
地球の北極点から赤道までの子午線弧長の
「1000万分の1」として定義されました。


つまりメートル法とは地球を基準とした単位になります。


それに対し、尺貫法は人の体を基準とした単位です。


1寸は手を広げたときの親指と中指の先の長さ、
1尺は肘から手首の間にある尺骨と呼ばれる骨の長さ、
1間は人の身長を基準としています。
※こちらは諸説ありますので気になった方は調べてみてください。


この人の体を基準とした尺貫法の最もわかりやすい例が畳です。

畳の単位は、1畳(いちじょう)と呼ばれ、
この畳(じょう)という単位は縦6尺、横3尺となっています。


古来より「立って半畳、寝て1畳」と言われており、
このサイズが人間の動きに最低限必要な寸法と言われているのです。


この畳の横幅の3尺が家作りの基準となっています。
3尺はメートル法に変えると910mmとなり、
家の設計図を見るとこの3尺(910mm)を基準として
作られていることが多く、図面上には2,730や3,640といった
メートル法で考えるとちょっと中途半端な数字が並びます。


また、浴槽(ユニットバス)やトイレ、
キッチンなどの設備や機器も3尺(910mm)に
収まるように作られていることが多く、
効率よく配置されるようになっています。


さらに、建材と呼ばれる家を建てるために必要な材料(石膏ボードやベニヤ)
も尺貫法に合わせてあるものが多く、
メートル法での建材より多く流通しているため、
建材にかかる材料費をメートル法での建材より抑えられるといった利点もあります。


そんな建築業界以外では馴染みが無かった尺貫法ですが、
今お住まいの家も尺貫法を基準としているかもしれません。
気になる方は家のいろんな箇所を測ってみてください


廊下の幅が780mmだったりしたら、
あなたのお住まいは尺貫法基準のお家ですよ!






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備える家づくり【水害対策】

こんにちは。
皆様の家づくりを素敵な思い出に導く、家づくりコーディネーターの纐纈 泰章です。

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2024年6月3日、早朝からここ名古屋市守山区でも緊急地震速報が流れました。
私も元日のことを思い出し、やはり身構えました。

石川県では再び強い揺れに襲われ、本当に気の休まらない日が続いているかと思います。
今回は幸い津波の被害は出ませんでしたが、
やはり大地震以降、家づくりにおける地震対策について、
お客様からご質問いただくことが増えました。


また、最近ではそれに加え、昨日も急な大雨があったように、
水害に対するご相談も多く頂戴します。


お家を建てる際には、地震対策はもちろんのこと、
洪水や浸水といった水害も決して「自分には関係の無いこと」と思わず、
水害による被害をどう避けるかといったことも、
しっかりと考えておくのが非常に大切です。


家を建てる際の代表的な水害対策としては、
土地を探される場合にはまずはハザードマップを確認し、
被害想定の少ない地域を選択することが大切です。


しかし、建て替えなどで建築予定地が決まっている場合には
建築で対策をしていく必要があります。
その代表的な対策に、盛り土があります。

そうです。
敷地全体に土を盛って、家を建てる場所自体を高くするのです。


水は高い所から低い所へ流れるため、敷地自体を高くすれば、
家全体を水害や洪水といったような水害からお家を守ることができます。


建築予定の土地が、周囲の家や道よりも、低くなっている場合には、
最初に検討してもよいような工事です。


ただ、住宅地などでは、隣のお家の日当たりを妨げないように、
法律や条例で屋根の高さの制限が設けられていることもありますので、
高さを上げるのにも限度はあります。


また、盛り土は土なので、それ自体が非常に重いです。
そのため地盤が弱いところでは、
逆に沈んでしまう原因となってしまう可能性もあります。


河川に近い場所などは、地盤の弱い低地であることが多く、
盛り土をして家を建てる時は、
その土地の特性と周囲の状況をよく考慮する必要があります。


他には、家の床を高い構造にする、という方法もあります。
基礎の部分を通常よりも高くし、家の床を物理的に高くするのです。


家を建てる時は、まずコンクリートなどで基礎を作りますが、
この基礎を通常よりも高く作ることで、万が一洪水が起こってしまった時などに、
床上まで浸水しまうのを防ぐことができます。


ただ、基礎を高くして床を高くする対策の場合、
床上浸水は防げても、床下浸水の可能性は十分にあります。
また、床が高くなるということは外から室内に入る際の段差が大きくなり
外の階段が増えるなどのデメリットもあります。
メリット、デメリットを合わせて考えたいものですね。


なお、この「床上浸水」と「床下浸水」の違い、
水害時に、文字通りお家の床下までの浸水で留まったのか、
床の上まで浸水してしまったのかというものです。


床下浸水の被害を受けてしまった場合には基本的に以下の3つが大切です。


1.排水・・・床板や畳を外し、溜まった水や泥をかき出します。

特に泥が残っていると悪臭の原因にもなるため、
隅々までかき出し、真水で洗い流します。


2.乾燥・・・生乾きのままだとカビや臭いの原因になってしまうため、
扇風機などを使い、風通しを良くしておきます。
場合によっては1週間以上かけて、しっかりと乾燥させます。


3.消毒・・・洪水など外からの水で浸水してしまった場合、
浸水した水に下水や汚水が混じっていることが多々あります。
すると雑菌が繁殖しやすく感染症の原因にもなり得るため、
排水・乾燥をさせた後にはしっかりと消毒する必要があります


以上の3つです。


一方、床上浸水の場合は、
床下浸水と比べて被害ははるかに大きくなります。


被害額は床下浸水の7倍にものぼると言われ、
2階まで浸水してしまった場合などは、
住み続けることが難しく、建て替えの検討が必要になる場合もあります。


床上まで浸水してしまうと、水に浸かった部分やものは、
洗ったとしてもひどい臭いが取れず、
床置きの電化製品や家具・リネン類をはじめ、
壁紙やクッションフロア、場合によってはフローリングまで
交換や張り替えが必要になることもあります。


もちろん被害がないことが一番ですが、
最悪でも床上浸水を防げるように、
私たちが家づくりの相談をする際には、
建築場所と家の床の高さなどを加味しながら
お話しを進めさせていただいています。






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