ピンっと来ない...単位のお話

こんにちは。
皆様の家づくりを素敵な思い出に導く、家づくりコーディネーターの纐纈 泰章です。

image22.png

皆様は長さを測るときにはどのような単位で考えますか?


ほとんどの方が、センチやメートルといった表現をされるかと思います。
これはメートル法と呼ばれるもので、法律でも義務つけられており、
取引上の計量には国際基準であるメートル法を用いることとされています。


そのため建築業界も図面上にあらわされる長さや
面積の表示は全てメートル法となっています。
お部屋の広さは◯㎡など書かれているのをよく見られると思います。

ですが実際の建築現場ではどうかと言いますと、

「いっすんごぶ」

「さんじゃくごすん」

など暗号のような言葉が飛び交っています。


昔の日本では当たり前に使われていた単位、
「寸」「尺」「間」などのことを言っています。


この「寸(すん)」「尺(しゃく)「間(けん)」は
尺貫法と呼ばれる単位で、日本独自の単位になります。


なぜ建築現場では未だに昔の単位が使われているのでしょうか?


それはこの昔の単位には人の体にフィットするような
柔軟性が秘められているからです。


起源から見てみるとその秘密がわかります。

メートル法の起源は1791年に、
地球の北極点から赤道までの子午線弧長の
「1000万分の1」として定義されました。


つまりメートル法とは地球を基準とした単位になります。


それに対し、尺貫法は人の体を基準とした単位です。


1寸は手を広げたときの親指と中指の先の長さ、
1尺は肘から手首の間にある尺骨と呼ばれる骨の長さ、
1間は人の身長を基準としています。
※こちらは諸説ありますので気になった方は調べてみてください。


この人の体を基準とした尺貫法の最もわかりやすい例が畳です。

畳の単位は、1畳(いちじょう)と呼ばれ、
この畳(じょう)という単位は縦6尺、横3尺となっています。


古来より「立って半畳、寝て1畳」と言われており、
このサイズが人間の動きに最低限必要な寸法と言われているのです。


この畳の横幅の3尺が家作りの基準となっています。
3尺はメートル法に変えると910mmとなり、
家の設計図を見るとこの3尺(910mm)を基準として
作られていることが多く、図面上には2,730や3,640といった
メートル法で考えるとちょっと中途半端な数字が並びます。


また、浴槽(ユニットバス)やトイレ、
キッチンなどの設備や機器も3尺(910mm)に
収まるように作られていることが多く、
効率よく配置されるようになっています。


さらに、建材と呼ばれる家を建てるために必要な材料(石膏ボードやベニヤ)
も尺貫法に合わせてあるものが多く、
メートル法での建材より多く流通しているため、
建材にかかる材料費をメートル法での建材より抑えられるといった利点もあります。


そんな建築業界以外では馴染みが無かった尺貫法ですが、
今お住まいの家も尺貫法を基準としているかもしれません。
気になる方は家のいろんな箇所を測ってみてください


廊下の幅が780mmだったりしたら、
あなたのお住まいは尺貫法基準のお家ですよ!






各種イベント開催中


【随時開催イベント】







「Life Style Design」


ライフスタイルをデザインする。


家というモノを通して、豊かな人生を創造します。





PageTop