注文住宅は何から決める?間取りを考える前に家族で整理したい「暮らしの優先順位」
こんにちは。
皆様の家づくりを素敵な思い出に導く、家づくりコーディネーターの纐纈 泰章です。
注文住宅を考え始めると、
「ランドリールームが欲しい」
「ファミリークローゼットがあると便利そう」
「回遊できる間取りにしたい」
「吹き抜けのあるリビングもいい」
「やっぱり平屋も気になる」
と、叶えたいことが少しずつ増えていきます。
InstagramやYouTube、住宅会社の施工事例を見ていると、素敵な間取りや設備が次々と目に入るので、「自分たちの家にも取り入れたい」と思うのは自然なことです。
ただ、注文住宅を考え始めたときに、最初から間取りや設備を決める必要はありません。
むしろ最初に整理しておきたいのは、
「どんな間取りにしたいか」よりも、「新しい家でどんな暮らしをしたいか」
ということです。
「○○が欲しい」で終わらず、
「なぜ欲しい?」
「今の暮らしで何に困っている?」
「新しい家ではどうなったら嬉しい?」
と一段掘り下げてみる。
そうすると、自分たちに本当に必要な間取りや設備が少しずつ見えてきます。

注文住宅は「欲しいもの」を決めるところから始めなくてもいい
注文住宅では、間取りも設備もたくさんの選択肢があります。
だからこそ、最初に「何を選ぶか」ばかりを考えていると、だんだん迷ってしまうことがあります。
そんなときは、欲しいものを一度「暮らし」に置き換えて考えてみましょう。
例えば、
「ランドリールームが欲しい」
という希望があったとします。
ここで考えてみてほしいのが、
「なぜ、ランドリールームが欲しいんだろう?」
ということです。
- 共働きで夜に洗濯することが多い
- 天候を気にせず洗濯物を干したい
- 洗濯物を2階まで運ぶのが大変
- 取り込んだ洗濯物がリビングに溜まってしまう
- 洗う・干す・しまう作業をもっとラクにしたい
このように考えていくと、本当に叶えたいことは「ランドリールームという部屋をつくること」ではなく、「毎日の洗濯をラクにしたい」ことかもしれません。
目的が分かれば、考えられる方法も広がります。
ランドリールームの広さだけでなく、洗濯機の位置、室内干しスペース、収納、ファミリークローゼット、洗面とのつながりなど、家事全体の流れから考えられるようになるからです。
「子育て世代に人気!洗濯・収納・家事が1ヶ所で完結する間取りの作り方」もあわせてご覧ください。
同じ「ファミリークローゼットが欲しい」でも、理由によって間取りは変わる
ファミリークローゼットも同じです。
「ファミクロが欲しい」という希望だけでは、そのご家族にとってどこにつくるのが使いやすいのか、どのくらいの広さが必要なのかは、まだ分かりません。
例えば、ファミリークローゼットが欲しい理由には、
- 子どもの着替えをまとめておきたい
- 帰宅したら上着やバッグをすぐ片付けたい
- 洗濯物を各部屋まで運びたくない
- 家族の朝の身支度を一ヶ所で済ませたい
などがあります。
「洗濯物をしまうのが大変」という悩みを解決したいなら、ランドリースペースとのつながりが重要になるでしょう。
一方で、「帰宅するとバッグや上着がリビングに散らかる」という悩みなら、玄関からの動線を考えた方が使いやすいかもしれません。
同じファミリークローゼットでも、「なぜ欲しいのか」によって、適した位置・大きさ・つながり方は変わります。
だからこそ、間取りの名前から考えるのではなく、その奥にある暮らしから考えてみることが大切です。

実際の住まいでも、ランドリーを単独の部屋として考えるのではなく、「洗う・干す・しまう」という一連の家事から考えることで、暮らしに合った動線をつくることができます。
WORKS「多治見・白い箱の住まい」で、ランドリーと収納をつないだ実例を見る
「理想の暮らし」が分からなければ、今の一日を振り返ってみる
「では、どんな暮らしがしたいですか?」
そう聞かれても、すぐには答えられない方も多いと思います。
そんなときは、無理に理想の暮らしを考える必要はありません。
まずは、今の自分たちの一日を振り返ってみてください。
例えば平日の朝。
- 洗面所は家族で混み合っていないか
- 子どもの着替えや準備はどこでしているか
- 出発前に鍵やバッグを探していないか
- 家族はどんな順番で準備して家を出るか
帰宅してからはどうでしょう。
- バッグや上着はどこに置いているか
- 買ってきた食材をキッチンまでどう運んでいるか
- 夕食をつくっている間、子どもはどこで過ごしているか
- 洗濯はいつ、どのような流れでしているか
休日なら、
- 家で何をして過ごすことが多いか
- 家族が自然に集まるのはどこか
- 外出することが多いか、家で過ごすことが多いか
- 友人や家族を招くことがあるか
なども振り返ってみましょう。

こうして普段の一日を追ってみると、
「ここが毎朝大変」
「これを毎日何度も往復している」
「ここに物が溜まりやすい」
といったことが見えてきます。
家の要望は、今の暮らしの中に隠れています。
今の暮らしを振り返るヒントとして「注文住宅の後悔は間取りだけじゃない|30代共働き夫婦が感じる7つの毎日ストレス」も参考にしてみてください。
「困っていること」だけでなく、「今好きな時間」も残しておく
家づくりを始めると、どうしても今の住まいへの不満に目が向きます。
「収納が少ない」
「キッチンが狭い」
「洗濯が大変」
「部屋が片付かない」
もちろん、こうした不便を整理することは大切です。
でも、もう一つ考えてみてほしいことがあります。
「今の暮らしで、好きな時間は何だろう?」
ということです。
例えば、
- 家族が自然とリビングに集まる時間
- ダイニングで子どもが宿題をしている風景
- 休日にゆっくりコーヒーを飲む時間
- 料理をしながら家族の様子が見えること
など。

新しい家を建てるからといって、今の暮らしをすべて変える必要はありません。
不便なところは改善する。でも、今すでにある好きな時間は、新しい家にも残していく。
これも、自分たちらしい家を考えるための大切な視点です。
今だけではなく、5年後・10年後の暮らしも少し想像する
今の生活から考えることは大切ですが、現在だけに合わせすぎないこともポイントです。
とはいえ、何十年先の暮らしまで完璧に予測する必要はありません。
例えば、
- 子どもが成長したら、朝の過ごし方はどう変わりそうか
- これからも共働きを続ける予定か
- 在宅勤務をする可能性はあるか
- 家族でどんな時間を大切にしていきたいか
といったことを、少し先まで想像してみます。
今は便利でも、数年後には使い方が大きく変わる場所もあります。
反対に、家族構成が変わっても長く大切にしたい時間もあるでしょう。
「今、便利か」だけではなく、「これからも使いやすいか」。
この二つを行き来しながら考えることで、間取りを長い目で見られるようになります。
夫婦で欲しいものが違ったら、「なぜ?」まで話してみる
家づくりでは、夫婦の希望が一致しないことも珍しくありません。
例えば、
「広いリビングが欲しい」
という人と、
「収納を増やしたい」
という人。
限られた面積の中で「リビングと収納のどちらを優先する?」と考えると、対立しているように感じます。
でも、ここでも「なぜ?」を考えてみます。
広いリビングが欲しい。
↓
家族みんなでゆっくり過ごせる場所が欲しい。
収納を増やしたい。
↓
物が出たままにならない、落ち着いた空間で暮らしたい。
ここまで話してみると、どちらも「家族が気持ちよく過ごせる空間にしたい」という思いから出ているのかもしれません。
そうであれば、「広さか収納か」という二択ではなく、必要な収納を確保しながらLDKをすっきり使える方法を考えることもできます。
希望する間取りが違っても、その背景にある「どんな暮らしがしたいか」まで話してみると、共通点が見つかることがあります。
すべてを叶えるのではなく、「暮らしの優先順位」を決める
ここまで暮らしを掘り下げていくと、叶えたいことがたくさん出てくると思います。
ただ、家づくりには土地の条件や建物の面積、そして予算があります。
すべての要望を同じ優先度で叶えようとするのではなく、例えば次の3つに整理してみましょう。
- 絶対に大切にしたいこと
- できれば叶えたいこと
- 別の方法でもよいこと
ポイントは、設備や部屋の名前だけで優先順位をつけないことです。
例えば、
「ランドリールームという独立した部屋をつくること」は、別の方法でもよい。
でも、
「毎日の洗濯にかかる負担を減らすこと」は、絶対に大切にしたい。
このように整理できれば、予算や面積を調整するときにも、単純に「ランドリールームをやめる・やめない」という話だけではなくなります。
大切にしたい暮らしを残しながら、別の設計方法で実現できないかを考えられるからです。
そして、暮らしの優先順位が見えてきたら、次に考えたいのが「その暮らしを実現する家づくりに、いくらまで使えるのか」ということです。
「注文住宅の予算はいくらが適正?家を建てた後も無理なく暮らせる資金計画の考え方」で、予算の考え方も整理しています。
KOKETSU A.D.が家づくりで「暮らし」から考える理由
KOKETSU A.D.では、「どんな家を建てるか」よりも、「どんな暮らしを実現したいか」から家づくりを考えています。
土地、建物、間取り、性能、デザイン、設備は、どれも大切です。
ただ、それらは家づくりの目的そのものではありません。
家は、そこで暮らすご家族が望む暮らしを実現するためのものです。
だから私たちは、
「ランドリールームをつくりましょう」
「ファミリークローゼットをつくりましょう」
と、間取りの答えを先に決めるのではなく、
「なぜ、それが欲しいのか」
「今の暮らしでは何に困っているのか」
「新しい家でどんな時間を過ごしたいのか」
というところから一緒に整理していくことを大切にしています。
Life Style Design|ライフスタイルをカタチに。
間取りをつくることからではなく、そのご家族の暮らしを知ることから、私たちの家づくりは始まります。
まとめ|間取りを考える前に、家族の暮らしを話してみよう
注文住宅を考え始めたら、最初から完璧な間取りを考える必要はありません。
まずは、気になっている間取りや設備について、
「なぜ欲しい?」
と考えてみてください。
そして、
- 今の暮らしで困っていること
- 今の暮らしで好きな時間
- 新しい家でラクにしたいこと
- これからも大切にしたい時間
を家族で話してみる。
そこから、
「絶対に大切にしたいこと」
「できれば叶えたいこと」
「別の方法でもよいこと」
を整理してみましょう。
間取りや設備の名前ではなく、暮らしに優先順位をつけられるようになると、自分たちに合った家を考えやすくなります。
そして次に気になってくるのは、
「実際の住宅では、こうした暮らしの希望をどう間取りにしているんだろう?」
ということではないでしょうか。
Galleryでは、さまざまな暮らしのアイデアをご紹介しています。自分たちならどんな暮らしを大切にしたいかを考えながら、ぜひご覧ください。
よくあるご質問
注文住宅は何から始めればいいですか?
最初から間取りや設備を決める必要はありません。まずは「今の暮らしで困っていること」「好きな時間」「新しい家でどう暮らしたいか」を整理してみるのがおすすめです。そこから必要な土地・予算・間取りなどを順番に考えていくと、判断しやすくなります。
間取りの希望がまだなくても住宅会社へ相談できますか?
具体的な間取りが決まっていなくても問題ありません。「朝の準備をラクにしたい」「家族でゆっくり過ごしたい」など、暮らしについて感じていることも家づくりの大切な材料になります。
夫婦で希望する間取りが違う場合はどうすればいいですか?
希望する設備や広さだけを比較するのではなく、「なぜそれが欲しいのか」まで話してみることが大切です。希望は違っていても、その背景にある「実現したい暮らし」には共通点が見つかることがあります。
SNSで見つけた間取りを参考にしてもいいですか?
参考にすること自体は問題ありません。ただし、その間取りが自分たちにも合うとは限りません。「どこがいいと思ったのか」「その間取りによって何を叶えたいのか」まで考えると、自分たちの家づくりに活かしやすくなります。
