注文住宅の断熱等級は6と7、どちらがいい?性能と費用から考える選び方

こんにちは。
皆様の家づくりを素敵な思い出に導く、家づくりコーディネーターの纐纈 泰章です。

注文住宅を検討していると、「断熱等級6」「断熱等級7」という言葉を目にする機会があると思います。

住宅会社によって目標とする断熱性能も異なるため、「等級7の方がいいの?」「等級6では物足りない?」「性能を高めると費用はどのくらい変わる?」と迷う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、断熱等級7は等級6より高い断熱性能を示しますが、すべてのご家族が等級7を選ぶべきとは限りません。

断熱性能を高めるメリットと、そのために必要な費用や設計上の条件を理解したうえで、希望する暮らしとのバランスを考えることが大切です。

今回は、断熱等級6と7の違いを整理しながら、注文住宅の断熱性能をどのように選べばよいのかを考えてみたいと思います。

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断熱等級6と7は何が違う?

断熱等性能等級とは、住宅の断熱性能を示す国の評価基準です。

等級が高いほど、建物の外へ熱が逃げにくい性能が求められます。

比較するときによく使われるのが、UA値(ユーエー値)です。これは、外壁・屋根・床・窓などを通して、住宅全体からどのくらい熱が逃げやすいかを表す数値です。

UA値は、小さいほど熱が逃げにくいことを意味します。

例えば、名古屋市などが該当する省エネ地域区分「6地域」では、UA値の基準は次のようになっています。

断熱等性能等級UA値の基準(6地域)
等級50.60以下
等級60.46以下
等級70.26以下

出典:国土交通省「住宅性能表示制度における断熱等性能等級6、7の住宅について」

この数字を見ると、等級6から等級7へ進むには、さらに熱を逃がしにくい住宅にする必要があることが分かります。

ただし、断熱等性能等級はUA値だけで決まるわけではありません。夏の日射熱の入りやすさを表す「ηAC値(イータエーシー値)」などの基準も関係します。

また、地域によって求められる基準値は異なります。住宅会社を比較するときは、「等級はいくつか」だけでなく、「建築予定地の地域区分で、どの数値を満たしているか」まで確認するとよいでしょう。


断熱等級が高いと、暮らしはどう変わる?

断熱性能を高める大きな目的は、冬の暖かさや夏の涼しさを保ちやすくすることです。

冬は室内で暖めた空気の熱が外へ逃げにくくなり、夏は外の熱が室内へ伝わりにくくなります。

その結果、冷暖房によって整えた室温を維持しやすくなり、冷暖房に必要なエネルギーを抑えることにもつながります。

ただし、断熱等級7なら必ず快適で、等級6なら快適ではない、ということではありません。

実際の住み心地には、断熱性能以外にもさまざまな要素が関係するからです。

例えば、次のような点です。

・窓の大きさや配置、ガラスやサッシの性能
・夏の日差しを遮り、冬の日差しを取り入れる工夫
・建物の気密性や換気計画
・冷暖房設備の種類や配置
・部屋のつながり方や吹き抜けなどの間取り

断熱性能は、快適な住まいをつくるための重要な要素です。しかし、それだけで住まいの快適さが決まるわけではありません。


断熱等級6から7に上げると、費用はどのくらい変わる?

断熱等級7を目指す場合、等級6の住宅と比べて、断熱材や窓などにさらに高い性能が求められることがあります。

例えば、断熱材の種類や厚みを見直したり、窓の仕様を変更したりする方法が考えられます。

そのため、一般的には性能を高めるための追加費用が発生する可能性があります。

ただし、等級6から7に上げる費用を、一律に「何十万円」「何百万円」と示すことはできません。

もともとの断熱仕様や建物の大きさ・形、窓の面積、採用する材料などによって必要な変更が異なるためです。

また、断熱性能を高めれば冷暖房費を抑えられる可能性がありますが、その効果も暮らし方や設備、地域の気候などによって変わります。

ですから、断熱性能にかける費用を考えるときは、初期費用だけでも、将来の光熱費だけでも判断しないことが大切です。

どのような仕様変更が必要で、費用はいくら増え、どんな暮らしのメリットが期待できるのか。

その内容を具体的に確認したうえで、自分たちが納得できる性能を選びたいですね。


断熱性能の数字を優先すると、間取りにも影響する?

注文住宅では、断熱性能を考えることと、間取りを考えることは別々の話ではありません。

例えば、大きな窓を設けて庭とのつながりを楽しみたい場合、窓の面積や性能は住宅全体のUA値に影響します。

建物の形や外壁の面積なども、断熱性能を考えるうえで関係する要素です。

もちろん、設計や仕様の工夫によって、希望する間取りと高い断熱性能を両立できる場合もあります。

一方で、目標とする数値によっては、窓の大きさや仕様、建物の形、予算などについて検討が必要になることもあります。

ここで考えたいのは、「数字を達成するために、何を変更する必要があるのか」ということです。

例えば、家族が集まるリビングの開放感を大切にしたいのか、窓から見える景色を楽しみたいのか、それとも室温の安定性をより優先したいのか。

ご家族によって、住まいに求めるものは違います。

だからこそ、断熱等級の数字だけを先に決めるのではなく、実現したい暮らしと一緒に考えることが重要だと思います。

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KOKETSU A.D.が考える、断熱性能と暮らしのバランス

私たちは、断熱性能を住まいづくりの大切な要素の一つと考えています。

そのうえで、断熱等級の数字を達成することだけが、家づくりの目的ではないとも考えています。

KOKETSU A.D.には、建築士と対話しながら暮らしに合う住まいを自由に組み立てる「D+home」と、空間・素材・美しさまで、一邸ごとに理想を追求する「s-class」があります。

断熱性能については、D+homeで断熱等級6を、s-classで断熱等級7を目標としています。

それぞれの住まいづくりの考え方については、住宅ラインナップページでもご紹介しています。

KOKETSU A.D.の住宅ラインナップを見る →

ただし、これは単純に住宅の優劣を表すものではありません。

どちらも、私たちが大切にしている家づくりの考え方を共有しながら、住まいづくりへの向き合い方が異なるブランドです。

そして、断熱性能の目標値だけを優先するのではなく、ご家族が実現したい暮らしやプランとのバランスを大切にしています。

ただし、どのようなプランでも、その等級を必ず達成するという意味ではありません。

例えばD+homeでは、ご家族の希望するプランを優先した結果、UA値が0.5台前半になる場合もあります。

名古屋市などの6地域では、この数値はUA値について等級5の基準を満たす一方、等級6の基準には届かない水準です。

そのような場合に、私たちは数字だけを優先して、希望するプランを無理に変更することはしていません。

もちろん、断熱性能を高めることのメリットを軽く考えているわけではありません。

大切なのは、性能を高めることで得られることと、そのために必要な設計上の変更や費用を整理し、ご家族にとって納得できる住まいを考えることです。

断熱性能も、間取りも、デザインも、暮らしをよりよくするためのもの。

私たちは、そのバランスを大切にしながら家づくりを考えています。


自分たちに合った断熱性能を選ぶために確認したいこと

これから住宅会社を比較する方は、断熱等級の数字を聞くだけでなく、次のようなことも確認してみてください。

・その等級は標準仕様なのか、目標値なのか、個別のプランで達成する数値なのか
・建築予定地の地域区分で、UA値や日射遮蔽性能はどのくらいになるのか
・等級6から7に上げる場合、どの仕様を変更する必要があるのか
・追加費用はいくらで、どのような効果が期待できるのか
・希望する窓の大きさや間取りに、どのような影響があるのか
・気密性、換気、冷暖房計画などはどのように考えているのか

こうした点を確認すると、単純に「等級が高い会社がよい」という比較から、一歩進んだ判断ができるようになります。


まとめ|断熱等級6と7は、数字だけで決めないことが大切

断熱等級7は、等級6よりも高い断熱性能を示す基準です。

断熱性能を高めることは、室温の安定や冷暖房エネルギーの削減につながる可能性があります。

一方で、性能を高めるためには費用や仕様の変更が必要になる場合があり、希望する間取りとの関係も考える必要があります。

だからこそ、「等級6と7のどちらが正解か」ではなく、「自分たちが望む暮らしに対して、どの性能を、どのような設計で実現するか」を考えていただきたいと思います。

住宅会社を比較するときも、断熱等級の数字だけでなく、その数字をどのような考え方で設定し、実際のプランにどう反映しているかを確認してみてください。


よくある質問(FAQ)

Q. 断熱等級6では、これからの注文住宅として不十分ですか?

A. 一概に不十分とはいえません。等級6は等級5よりも高い断熱性能を求める基準です。ただし、求める快適性や地域、間取り、予算によって適切な判断は異なります。

Q. 断熱等級7にすれば、冷暖房費は必ず安くなりますか?

A. 断熱性能が高いほど、冷暖房による室温を維持しやすくなることが期待できます。ただし、実際の光熱費は住宅の大きさ、窓、設備、設定温度、生活時間などによって変わるため、金額を一律に保証することはできません。

Q. UA値が0.5台の場合、断熱等級はいくつですか?

A. 名古屋市などの6地域では、UA値が0.5台前半であれば等級5のUA値基準(0.60以下)を満たし、等級6のUA値基準(0.46以下)には達しません。ただし、正式な断熱等性能等級は日射遮蔽性能なども含めて確認する必要があります。

Q. 断熱等級6と7の費用差は、どの住宅会社でも同じですか?

A. 同じではありません。標準仕様、窓の面積、建物の形、断熱材の種類などによって必要な変更が異なります。具体的なプランで仕様と費用を比較することが大切です。

参考資料

国土交通省「住宅性能表示制度における断熱等性能等級6、7の住宅について」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001884522.pdf

国土交通省「省エネ性能表示制度|断熱性能」
https://www.mlit.go.jp/shoene-label/insulation.html

※制度上の基準は2026年10月時点の情報をもとに記載しています。断熱等級の目標や実際の性能は、住宅の仕様・プラン・建築地によって異なります。