大雨に強い家はどうつくる?名古屋の浸水被害から考える、土地・設計・暮らしの備え

こんにちは。
皆様の家づくりを素敵な思い出に導く、家づくりコーディネーターの纐纈 泰章です。

今年は、大雨による被害について考えさせられる機会が続いています。

9月には名古屋でも記録的な大雨となり、道路の冠水や住宅への浸水被害が発生しました。

その後も千葉県では台風による大きな被害が発生し、災害救助法が適用されるなど、各地で自然災害への対応が続いています。

台風や大雨のニュースを見るたびに、これから家を建てる方の中には、「大雨に強い家にするには、どうすればいいのだろう?」と考える方もいるのではないでしょうか。

もちろん、自然災害を完全に防ぐことはできません。

想定を超える雨が降ることもありますし、これまで浸水しなかった場所だから、これからも絶対に大丈夫とは言い切れません。

一方で、今回の名古屋の大雨を見ていて、私自身あらためて感じたこともあります。

激しく冠水していた道路でも、その後、水が引いていく場所がありました。

もちろん場所によって状況は異なりますし、実際に多くの住宅で浸水被害が発生しています。

それでも、その背景を調べてみると、名古屋では過去の水害を教訓として、雨水を排水する施設や河川など、長い時間をかけてさまざまな浸水対策が進められてきたことが分かります。

「想定以上のことは起こる。それでも、被害を少なくするためにできることはある。」

これは、街づくりだけではなく、私たちの家づくりにも同じことが言えるのではないでしょうか。

今回は、名古屋で起きた大雨と、その後も各地で続く災害をきっかけに、これから家を建てる方と一緒に「大雨に強い家」について考えてみたいと思います。

大雨が過ぎた後、雨に濡れた道路と住宅街に光が差す様子


大雨に強い家とは「絶対に浸水しない家」なのか

まず、今回の記事でお伝えしたいことがあります。

大雨に強い家とは、どんな雨が降っても絶対に被害を受けない家ではないと私たちは考えています。

9月8日の大雨では、名古屋市で1時間最大104.5mmという記録的な雨が観測されました。

これは、2000年の東海豪雨時に観測された1時間97mmを上回る雨です。

名古屋市では9月16日時点の速報値で、床上浸水279棟、床下浸水179棟の住家被害が確認されています。

どれだけ備えていても、その想定を上回る自然現象が起きる可能性はあります。

だからといって、「何をしても同じ」ということでもありません。

今回の名古屋の大雨は、そのことを考える一つの事例になりました。


東海豪雨から26年。名古屋の街は水害への備えを重ねてきた

名古屋で暮らしている方の中には、2000年9月の「東海豪雨」を覚えている方も多いのではないでしょうか。

名古屋市や愛知県では、東海豪雨など過去の大きな水害を受けて、さまざまな治水・浸水対策が進められてきました。

名古屋市上下水道局では、著しい浸水被害が発生した地域などを対象に、雨水ポンプの増強、雨水貯留施設、管きょの整備などを進めています。

現在進められている緊急雨水整備事業が完成すると、東海豪雨以前と比較して、ポンプの排水能力は約1.3倍、雨水貯留施設の貯留量は約6.3倍になる計画です。

また、国や愛知県でも、庄内川、新川、天白川などで河道掘削や堤防、放水路、排水機場、遊水地などの整備が進められてきました。

そして今回、東海豪雨時を上回る1時間最大104.5mmという雨が降ったにもかかわらず、愛知県は、東海豪雨時と比較して浸水家屋数が大きく減少するなど、これまでの河川整備が大きな効果を発揮したとしています。

もちろん、今回も多くの方が被災しています。

ですから、「名古屋なら大雨が降っても大丈夫」という話ではありません。

私がここで注目したいのは、過去の災害から学び、対策を積み重ねてきたことが、次の災害で被害を小さくすることにつながっているという点です。


「想定以上は起きる」ことを前提に備える

この考え方は、家づくりにも置き換えられるのではないでしょうか。

私たちは家づくりをするとき、つい「安全か、危険か」という二択で考えてしまいます。

例えば土地探しなら、

「ハザードマップに色が付いているから危険」

「色が付いていないから安心」

と考えてしまうこともあるかもしれません。

しかし、自然災害について「絶対」を見つけることは難しいものです。

それよりも、

  • どのようなリスクが想定されているのか
  • 街ではどのような対策が行われているのか
  • 土地にはどのような特徴があるのか
  • 建物側でできることはあるのか
  • 万一被害を受けたとき、どう暮らしを立て直すのか

と、いくつもの備えを重ねて考えていくことが大切なのだと思います。


土地を選ぶとき、「街がどう備えているか」も見てみる

これから土地を探す方にとって、今回ぜひ一つ覚えておいていただきたい視点があります。

それは、土地そのものだけでなく、その街が水害に対してどのような備えをしているのかを見ることです。

土地の水害リスクを調べるとき、ハザードマップを確認することは大切です。

さらに少し視野を広げてみると、河川の整備、雨水を一時的にためる施設、排水設備など、私たちの暮らしを守るためのさまざまな仕組みがあります。

普段生活しているだけでは、なかなか意識することはありません。

しかし今回の名古屋のような大雨を経験すると、家はその敷地だけで成り立っているのではなく、街のインフラの中で暮らしているということにも気づかされます。

土地を見るときに、駅からの距離や学区、買い物の便利さ、価格を見る。

そこにもう一つ、

「この街は、災害に対してどんな備えをしているのだろう?」

という視点を持ってみてもよいのではないでしょうか。


次に考えるのが「その土地に、どう建てるか」

街全体で対策が行われていても、一つひとつの土地の条件は異なります。

道路との高低差、周囲の土地との関係、水の流れ、近くの河川や水路などによって、同じ地域でも考えるべきことは変わります。

そして土地の特徴が分かれば、建物側で検討できることもあります。

例えば、敷地と建物の高さの関係、建物の配置、設備機器を設置する位置、外構や雨水排水の計画などです。

ただし、ここでも「これをすれば大雨に強い家になる」という一つの正解があるわけではありません。

土地の条件を知ったうえで、その土地に合った設計を考える。

これが大切です。

防災だけに限った話ではありません。

土地に高低差があれば、それを単に「デメリット」と考えるのではなく、高さの違いを住まいの設計に活かせる場合もあります。

日当たり、周囲の建物、道路との関係なども同じです。

土地には、それぞれ条件があります。

その条件を読み取って住まいを考えることが、設計の役割の一つだと私たちは考えています。

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もし被害を受けたら。「その後」までが暮らしです

もう一つ、今回の各地の被害を見ていて忘れてはいけないと感じるのが、災害が起きた「その後」です。

家が被害を受ければ、そこで終わりではありません。

被害状況を確認し、片付けをして、必要な手続きを行い、修理をして、少しずつ日常生活を取り戻していくことになります。

今回の大雨でも、名古屋市では罹災証明書の申請や建物被害認定調査が行われています。

千葉県でも、台風第25号による被災住宅に対する応急修理制度など、被災した方が生活を取り戻すための支援が始まっています。

災害への備えというと、非常食や避難用品を思い浮かべることが多いかもしれません。

もちろん、それも大切です。

それと同時に、家づくりをするときには、火災保険の水災補償なども含め、「もし被害を受けたとき、どうやって暮らしを立て直すのか」という視点も持っておきたいところです。

家を守ることだけではなく、その家で続いていく暮らしを守る。

そこまで考えて、初めて「備える」ということなのかもしれません。


KOKETSU A.D.が考える「大雨に強い家」

私たちは、家づくりを建物だけで考えません。

どこで暮らすのか。 その土地にはどんな特徴があるのか。 どんな建物を計画するのか。 そこにどのような予算を使うのか。 そして、その家でどんな暮らしを続けていきたいのか。

それぞれを別々に考えるのではなく、一つにつなげながら、そのご家族にとっての答えを整理していくことを大切にしています。

防災も、その一つです。

すべてのリスクをゼロにすることはできません。

だからこそ、「絶対に大丈夫な家」を求めるのではなく、自分たちが暮らす場所のことを知り、考えられる備えを一つずつ重ねていく。

今回の名古屋の大雨と、これまで街が積み重ねてきた対策を見て、私は改めてその大切さを感じました。


想定以上は起きる。それでも、できることはある

9月8日の名古屋では、東海豪雨時を上回るほどの激しい雨が降りました。

その後も各地で災害が起きています。

これから先も、「想定以上」の自然災害が起こる可能性はあります。

それを完全に防ぐことはできません。

しかし今回の名古屋では、過去の災害をきっかけに積み重ねてきた対策が、被害の軽減につながったことも確認されています。

想定以上は起きる。

それでも、起きたときの被害を少なくするために、今できることはある。

街も、土地も、建物も、そして暮らしも。

一つだけで「大雨に強くする」のではなく、いくつもの備えを重ねていく。

これから家づくりを考える皆様にとって、今回の大雨が不安だけで終わるのではなく、「自分たちの家づくりでは、どんなことを確認しておこう?」と考えるきっかけになればと思います。


大雨に強い家づくりについてよくある質問

Q. 大雨に強い家にするには、建物だけ対策すればよいですか?

建物だけではなく、土地や周辺環境、地域の治水・排水対策まで含めて考えることが大切です。同じような建物でも、道路との高低差や周囲の地形、水が流れる方向などによって条件は変わります。

「どんな建物を建てるか」だけではなく、「どんな街の、どんな土地に建てるか」から考えることが、大雨への備えにつながります。

Q. 治水対策が進んでいる地域なら、水害の心配はしなくても大丈夫ですか?

治水・排水対策が進んでいても、水害の可能性がなくなるわけではありません。

今回の名古屋でも、過去の災害を受けてさまざまな対策が進められてきましたが、記録的な大雨によって住宅への浸水被害が発生しました。

地域の対策は「絶対に浸水しない」という保証ではなく、被害をできるだけ小さくするために重ねられている備えの一つとして捉えることが大切です。

Q. 家づくりを始めるとき、水害について最初に何を確認すればよいですか?

まずは、検討している地域や土地にどのような水害リスクが想定されているのかを確認してみましょう。

ハザードマップだけで判断するのではなく、土地の高低差や周辺環境、地域で行われている治水・浸水対策などを知ることで、家づくりで考えるべきことが見えてきます。

具体的な土地の確認ポイントについては、関連記事「大雨に強い家は「建物」だけでは決まらない|家づくりを始める前に確認したい土地と暮らしの防災」でも詳しく紹介しています。


土地の条件を、設計に活かした住まいを見る

土地に条件があることは、必ずしもマイナスとは限りません。

こちらのWORKSでは、高低差のある敷地の特徴を読み取り、その高さの変化をスキップフロアとして住まいの中に取り込んでいます。

防災を目的とした住宅ではありませんが、「土地の条件を知り、それを設計につなげる」という家づくりの一例としてご覧いただければと思います。

→ 高低差を活かした、スキップフロアの住まい。

注文住宅の予算はいくらが適正?家を建てた後も無理なく暮らせる資金計画の考え方

こんにちは。
皆様の家づくりを素敵な思い出に導く、家づくりコーディネーターの纐纈 泰章です。

注文住宅を考え始めると、多くの方が最初に気になるのが「予算」のことではないでしょうか。

希望する家を建てるには、いくら必要なのか。
住宅ローンはいくらまで借りられるのか。
毎月いくらなら無理なく返していけるのか。

家づくりでは大きなお金が動くからこそ、「自分たちの場合、いくらまでなら大丈夫なのだろう」と迷うのは自然なことだと思います。

2026年9月24日に新建ハウジングで紹介された、注文住宅の購入経験者136人を対象とした調査でも、54.4%の方が、注文住宅を建てる際の資金計画に不安を感じたと回答しています。

さらに、不安を感じた方にその内容を尋ねると、最も多かったのは「希望のプランが予算内に収まるか」73.0%でした。

住宅ローンの金利や毎月の返済額ももちろん大切です。
ただ、その前に整理しておきたいのが、「そもそも自分たちにとって適正な住宅予算はいくらなのか」ということです。

先に結論をお伝えすると、注文住宅の適正予算は、住宅ローンで借りられる金額だけでは決まりません。

家を建てたあとも、自分たちらしい暮らしを無理なく続けられる金額かどうか。

家を建てた後も無理なく暮らせる資金計画をイメージした、緑とつながる注文住宅

そこまで考えて初めて、自分たちにとっての住宅予算が見えてきます。


注文住宅経験者の半数以上が「資金計画に不安」

今回紹介された調査では、注文住宅を建てる際の資金計画について、

  • とても不安を感じた:16.9%
  • やや不安を感じた:37.5%

となっており、合わせて54.4%が何らかの不安を感じていたことが分かります。

さらに、不安を感じた74人に具体的な内容を聞いたところ、次のような回答がありました。

不安に感じたこと 割合
希望のプランが予算内に収まるか 73.0%
住宅ローンの金利タイプ・金利選び 44.6%
毎月の返済額が家計を圧迫しないか 44.6%
返済期間の設定 33.8%
追加工事費用や諸経費など想定外の出費 32.4%

この結果を見ると、住宅ローンそのものだけではなく、「希望する家と、自分たちの予算をどう合わせればよいのか」という部分に大きな不安があることが分かります。

家づくりでは、建物、土地、外構、諸費用など、さまざまなお金が関係します。

希望を一つずつ足していくと、当初考えていた予算を超えてしまうこともあります。

だからこそ、家の仕様を決め始める前に、まず「自分たちは家づくりにいくら使うのか」という基準を持つことが大切です。


「借りられる金額」と「安心して返せる金額」は同じとは限らない

住宅予算を考えるとき、最初に住宅ローンの借入可能額を確認する方も多いと思います。

もちろん、住宅ローンでいくら借りられるのかを知ることは大切です。

ただし、金融機関から借りられる金額と、自分たちが無理なく返し続けられる金額は、必ずしも同じではありません。

住宅ローンの返済が始まっても、暮らしは続いていきます。

  • 子どもの教育費
  • 車の購入や買い替え
  • 旅行や趣味
  • 日々の生活費
  • 将来に向けた貯蓄
  • 老後の生活資金

これらのお金も必要になります。

「住宅ローンを返せるか」だけではなく、「住宅ローンを返しながら、どんな暮らしを続けたいか」まで考えることが、住宅予算を決めるうえでは重要です。


実際に多くの人が重視したのも「無理のない毎月の返済額」

同じ調査で「注文住宅の予算を決める際、最も重視したポイント」を尋ねたところ、最も多かった回答は、

「毎月の返済額が無理のない範囲であること」51.5%

でした。

「住宅にかける総額」を重視した人は24.3%です。

この結果からも、家づくりを経験した方の多くが、単純な住宅価格だけではなく、建てた後の毎月の暮らしを意識して予算を考えていたことがうかがえます。

家の価格が予算内に入っていることはもちろん大切です。

ですが、住宅ローンを返すことで、それまで楽しんでいたことをすべて我慢しなければならなくなったり、将来必要なお金を準備できなくなったりしてしまえば、それが本当に「無理のない家づくり」なのかは考える必要があります。


注文住宅の適正予算は「家」だけを見ても決められない

では、自分たちにとっての適正予算は、どのように考えればよいのでしょうか。

私たちは、住宅予算を考えるときには、次のような順番で整理することが大切だと考えています。


1.今の家計を確認する

まず確認したいのは、現在の収入と支出です。

毎月どのくらいのお金を使っているのか。
どのくらい貯蓄できているのか。
今後も続けたい暮らしには、どのくらい必要なのか。

住宅ローンだけを切り離して考えるのではなく、現在の暮らし全体から考えていきます。


2.これから必要になるお金を考える

現在の家計だけで住宅予算を決めてしまうと、将来の支出を見落としてしまうことがあります。

特に子育て世帯では、これから教育費が増えていく可能性があります。

そのほかにも、車の買い替え、家族旅行、老後資金など、それぞれの家庭によって今後必要になるお金は違います。

「家にいくら使えるか」を考える前に、「これからどんな暮らしをしたいか」を考える。

この順番が大切です。


3.無理なく続けられる住宅費を考える

現在と将来のお金を整理したうえで、毎月どのくらいなら住宅費として無理なく支払えるのかを考えます。

ここで大切なのは、「払える限界」を探すことではありません。

家を建てた後にも、安心して暮らし続けられる余白を残しておくことです。


4.その予算を土地・建物・その他の費用に配分する

住宅全体に使える予算が見えてきたら、その中から土地、建物、外構、諸費用などへ金額を配分していきます。

例えば土地に予算をかけすぎれば、建物に使える金額は少なくなります。

反対に、建物への希望を優先したいのであれば、土地の条件を少し広げて考える方法もあります。

大切なのは、それぞれを別々に考えるのではなく、家づくり全体の予算の中でバランスを見ることです。


「希望を削る」のではなく、優先順位を整理する

予算を決めるというと、「やりたいことを諦める作業」のように感じる方もいるかもしれません。

ですが、私たちはそうではないと考えています。

予算が分かることで、むしろ、

  • ここは大切にしたい
  • ここにはしっかりお金をかけたい
  • ここは工夫できそう
  • これは今でなくてもよい

という優先順位を考えやすくなります。

注文住宅だからといって、すべての希望を盛り込む必要はありません。

自分たちが大切にしたい暮らしに、どこまで予算を使うのか。

そこを整理することも、注文住宅の家づくりの大切なプロセスです。


KOKETSU A.D.では「家を建てた後の暮らし」から予算を考えます

KOKETSU A.D.では、家づくりの予算を考えるとき、建物だけを見るのではなく、その先の暮らしまで考えることを大切にしています。

私たちの目的は、家を建てることそのものではありません。

家というモノを通して、それぞれのご家族が望む暮らしを実現し、その先の人生が豊かになることを目指しています。

だからこそ、

「いくらまで借りられるか」ではなく、「いくらなら安心して暮らしていけるか」

という視点から資金計画を考えます。

土地、資金、設計、建築を別々に考えるのではなく、これからの暮らしまで含めて一つにつなげながら、自分たちで納得して判断できる状態をつくることが大切だと考えています。


土地や間取りを決める前に、予算の基準を持っておく

家づくりを考え始めると、土地を探したり、住宅会社を見たり、間取りを考えたりしたくなると思います。

もちろん、それも家づくりの楽しみの一つです。

ただ、その前に「自分たちは家づくりにいくら使えるのか」という基準があると、その後の判断がしやすくなります。

例えば土地を見るときも、

「この土地が買えるかどうか」

だけではなく、

「この土地を買ったあと、希望する暮らしを実現する建物にいくら使えるか」

まで考えられるようになります。

予算は、家づくりを制限するためのものではありません。

迷ったときに、自分たちに合った選択をするための判断基準でもあります。


まとめ|適正な住宅予算は「暮らし」から考える

注文住宅の予算に、すべての家庭に共通する「適正な金額」はありません。

収入が同じでも、家族構成、教育に対する考え方、車、趣味、働き方、将来の暮らし方によって、住宅に使える金額は変わります。

だからこそ、住宅予算を考えるときには、

  • 住宅ローンでいくら借りられるか
  • 家はいくらで建てられるか

だけではなく、

「家を建てたあと、自分たちはどんな暮らしを続けたいのか」

まで考えてみてください。

そのうえで住宅に使える金額を整理しておくと、土地選びや間取り、住宅会社との打ち合わせでも、自分たちなりの判断基準を持ちやすくなります。


「自分たちの場合はいくら?」を整理したい方へ

ここまで読んで、

「考え方は分かったけれど、自分たちの場合はいくらなら安心なのだろう?」

と思われた方もいるかもしれません。

KOKETSU A.D.では、外部のファイナンシャルプランナーと一緒に、家づくりに使える予算を整理する「家とお金の相談会」を行っています。

住宅ローンだけでなく、教育費や老後資金、これからの働き方や暮らし方なども含めながら、家を建てたあとも安心して暮らせる予算を考えていきます。

土地を決める前。間取りを考える前。
まず、自分たちなりの予算の基準を持っておくことで、その後の家づくりは判断しやすくなります。

まだ土地や間取りが具体的に決まっていなくても構いません。

「わが家の場合」をもう少し具体的に整理したい方は、家とお金の相談会についてご覧ください。

【家とお金の相談会について詳しく見る】


よくある質問

注文住宅の予算は年収から決めればよいですか?

年収は住宅予算を考えるための一つの材料ですが、年収だけで適正予算を決めることはおすすめしていません。同じ年収でも、家族構成や毎月の支出、教育費、車、貯蓄、今後の働き方などによって、無理なく使える住宅費は変わります。


住宅ローンで借りられる金額まで借りても大丈夫ですか?

住宅ローンで借りられる金額と、家計上無理なく返し続けられる金額は同じとは限りません。住宅ローン返済後にも必要となる生活費や教育費、貯蓄などを含めて判断することが大切です。


土地を探す前に資金計画をした方がよいですか?

土地から探す場合でも、先に家づくり全体の予算を整理しておくと判断しやすくなります。土地にいくら使うかだけでなく、土地を購入したあとに建物や外構、諸費用へいくら残せるかまで考えておくことが大切です。


まだ家づくりが具体的でなくても資金計画はできますか?

はい。土地や間取りが決まっていなくても、現在の収入や支出、これから想定される暮らしから住宅予算の基準を考えることはできます。早い段階で基準を持っておくことで、その後の土地探しや住宅会社選びでも判断しやすくなります。

参考:新建ハウジング「注文住宅の購入経験者、半数以上が『資金計画に不安』」2026年9月24日掲載

名古屋の地価は2026年も上昇|土地・建築費が高くなる今こそ大切な家づくりの資金計画

こんにちは。
皆様の家づくりを素敵な思い出に導く、家づくりコーディネーターの纐纈 泰章です。

昨日、2026年の都道府県地価調査が公表されました。

ニュースを見て、

「また土地が高くなっているの?」
「建築費も上がっているし、これから家を建てるのは難しくなるのでは?」

と感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際、全国の住宅地は5年連続で上昇し、三大都市圏でも住宅地の上昇が続いています。

愛知県でも住宅地の平均変動率は前年比+1.3%、名古屋市では+2.7%となりました。

名古屋市は前年の+3.0%から上昇幅こそ少し縮小していますが、地価の上昇自体は続いています。

さらに住宅では、土地だけでなく、建物に使われる建材や住宅設備の価格も変化しています。

こうしたニュースを見ると、

「もっと高くなる前に家づくりを進めた方がいいのでは?」

と思ってしまうかもしれません。

しかし、私たちはそう単純には考えていません。

土地や建物の価格が変化している今だからこそ大切なのは、急いで家を買うことではなく、自分たちが無理なく進められる家づくりの総予算を最初に整理することです。

名古屋市の街並みを見渡す都市風景


2026年も名古屋の住宅地は上昇しています

2026年9月に公表された都道府県地価調査では、全国の全用途平均、住宅地、商業地のいずれも5年連続で上昇しました。

愛知県の住宅地平均は、2025年の+1.6%から2026年は+1.3%。

名古屋市では、2025年の+3.0%から2026年は+2.7%となっています。

つまり、上昇の勢いは少し落ち着いているものの、住宅地の価格は引き続き上昇しています。

KOKETSU A.D.のある名古屋市守山区を見ると、住宅地の平均変動率は+3.6%。

前年の+3.0%から、むしろ上昇幅が拡大しています。

また、私たちの施工エリアでもある長久手市は+3.9%となっています。

もちろん、これらは地域全体の平均です。

同じ名古屋市内でも場所によって地価の動きは違いますし、実際に売り出されている土地の価格は、駅からの距離、土地の形、大きさ、道路との関係などによっても大きく変わります。

そのため、

「名古屋市の地価が2.7%上がったから、すべての土地が2.7%高くなった」という意味ではありません。

地価調査の数字だけで、個別の土地が高い・安いと判断しないことも大切です。

ただ、土地から家づくりを検討している方にとって、土地価格が上昇傾向にあることは、これからの予算を考えるうえで知っておきたい判断材料の一つだと思います。


土地だけでなく、建物にかかる費用も変化しています

家づくりの価格を考えるうえでは、土地だけを見ることはできません。

建物に使用する建材や住宅設備でも価格改定が続いています。

例えばLIXILでは、2026年10月1日受注分から住宅サッシ・ドア、インテリア建材、エクステリアなどのメーカー希望小売価格を順次改定すると発表しています。

住宅サッシ・ドアやインテリア建材は平均13%程度、エクステリアは平均15%程度の価格改定が予定されています。

ここで一つ、注意していただきたいことがあります。

メーカーの商品価格が13%上がるからといって、住宅全体の建築費が13%上がるという意味ではありません。

住宅の建築費には、材料費だけでなく施工費や人件費、設備、各種工事など、さまざまな費用が含まれています。

そのため、「○%値上げ」という数字だけを見て必要以上に不安になることはありません。

一方で、住宅をつくるために必要なさまざまなコストが変化している以上、数年前と同じ予算感だけで家づくりを考えることが難しくなってきているのも事実です。

土地も建物も高くなる今、最初に考えたいのは「総予算」です

土地から家づくりを始める方によくあるのが、まず土地を探して、そのあとに建物を考える進め方です。

例えば、

「土地は2,500万円くらいまで」

と決めて土地探しを始め、気に入った土地が見つかったので購入する。

その後で住宅会社に相談してみると、

「思っていたより建物にお金がかかる」
「外構や諸費用まで入れると予算を超えてしまう」

ということがあります。

家づくりに必要なお金は、土地と建物だけではありません。

土地取得費
+ 建物本体
+ 付帯工事
+ 外構工事
+ 各種諸費用
= 家づくり全体の費用

として考える必要があります。

だからこそ、土地を探し始める前に、

「自分たちは家づくり全体でいくらまでなら無理なく使えるのか」

を整理しておくことが重要になります。


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「いくら借りられるか」と「いくらなら暮らしていけるか」は違います

資金計画というと、住宅ローンでいくら借りられるかを計算することだと思われることがあります。

もちろん、借入可能額を確認することも必要です。

しかし、私たちが考える資金計画は、それだけではありません。

住宅ローンは家を建てたあと、長い期間にわたって返済していくものです。

その間には、

・子どもの教育費
・車の買い替え
・旅行や趣味
・日々の生活費
・将来の貯蓄
・住まいのメンテナンス

などにもお金が必要になります。

住宅ローンが払えるかどうかだけではなく、家を建てたあとも、自分たちらしい暮らしを続けられるか。

そこまで含めて考えることが、家づくりにおける資金計画ではないでしょうか。

土地の予算は、建物とのバランスで考える

地価が上昇している地域では、希望するエリアで土地を探しているうちに、どうしても土地の予算が大きくなってしまうことがあります。

総予算が決まっている場合、土地にかける費用が増えれば、その分だけ建物や外構などに使える金額は少なくなります。

反対に、建物に求める広さや性能、実現したい暮らしを優先するのであれば、土地のエリアや大きさを少し広い視点で考える必要が出てくるかもしれません。

大切なのは、

「土地はいくらまで」

と単独で考えるのではなく、

「自分たちが実現したい暮らしには、土地と建物へどのくらいずつ予算を配分するのがよいか」

と考えることです。

土地、建物、資金計画は、本来それぞれ別の話ではありません。


KOKETSU A.D.では「暮らし」から家づくりの予算を考えます

KOKETSU A.D.では、家を建てることそのものを目的にはしていません。

家は、そのご家族が望む暮らしを実現するための手段だと考えています。

そのため資金計画でも、最初から

「いくらまで借りられます」

という話だけをするのではなく、

どんな暮らしをしたいのか。
これからどんなことにお金を使いたいのか。
土地にはどのくらい使うのか。
建物には何を求めるのか。

といったことを一緒に整理していきます。

土地・資金・設計・建築を別々に考えるのではなく、それらを一つにつなげながら、家を建てたあとの暮らしまで無理なく続けられるかを確認する。

それが、私たちが大切にしている家づくりの進め方です。


価格が上がっているから「急ぐ」のではなく、まず現在地を知る

地価が上昇している。

建材や住宅設備も値上がりしている。

こうしたニュースが続くと、

「今すぐ建てた方がいいのでは」

と焦ってしまうかもしれません。

しかし、家づくりは長い暮らしに関わる大きな選択です。

価格が上がっていることだけを理由に、急いで判断する必要はありません。

一方で、数年前の価格感を基準にしたまま計画を進めるのもおすすめできません。

まずは今の土地価格、建築費、住宅ローンなどを前提に、

「自分たちなら、どこまでの家づくりができるのか」

を確認してみる。

そこから、土地のエリアや建物の大きさ、住宅に求めるものを整理していく。

土地や建物の価格が変化している今だからこそ、家づくりを始める最初の一歩として、資金計画の重要性はさらに高まっていると思います。


まとめ|土地探しの前に、家づくり全体のお金を整理しよう

2026年の地価調査では、名古屋市の住宅地も引き続き上昇しました。

建材や住宅設備についても価格改定が続いています。

だからといって、

「もっと高くなる前に家を建てなければいけない」

ということではありません。

むしろ大切なのは、価格が変化することを前提として、

土地・建物・諸費用・住宅ローン、そして家を建てたあとの暮らしまで含めて、自分たちの家づくり全体を考えること。

「家が欲しいけれど、今の価格で本当に建てられるのだろうか」

そんな疑問を感じたときは、いきなり土地探しを始めるのではなく、まず一度、家づくり全体の予算を整理してみてください。

それが、これからの家づくりを安心して考えるための大切な現在地になると思います。


よくある質問

Q. 地価が上がっているなら、早く土地を買った方がいいですか?

必ずしもそうとは限りません。

土地価格だけで判断するのではなく、建物や諸費用まで含めた総予算を確認したうえで、その土地を購入しても希望する暮らしが実現できるかを考えることが大切です。


Q. 住宅会社へ相談する前に土地を探しても大丈夫ですか?

土地探し自体はできますが、土地と建物を合わせた予算が分からないまま購入を決めると、建物に使える予算が不足することがあります。

土地から家づくりを考える場合でも、先に資金計画と建物のおおよその費用を確認しておくと判断しやすくなります。


Q. 資金計画では何を確認すればよいですか?

住宅ローンの借入可能額だけでなく、毎月無理なく返済できる金額、教育費や車、貯蓄など将来の支出、土地・建物・諸費用の配分まで確認しておくことをおすすめします。


自分たちの家づくり予算を、一度整理してみたい方へ

土地価格や建築費が変化している今、大切なのは「いくら借りられるか」だけではなく、家を建てたあとも無理なく暮らしていける予算を知ることです。

KOKETSU A.D.では、住宅ローンだけでなく、教育費や老後資金、これからの暮らしまで考えながら、家づくりに使える予算を整理する「家とお金の相談会」を行っています。

まだ土地が決まっていない方や、家づくりを考え始めたばかりの方でも大丈夫です。

家とお金の相談会について詳しく見る

「70点の土地は買い」って本当?|土地探しで100点を求める前に考えたいこと

こんにちは。
皆様の家づくりを素敵な思い出に導く、家づくりコーディネーターの纐纈 泰章です。

土地探しをしていると、

「100点の土地はなかなかない」
「70点くらいの土地が見つかったら買い」

そんな話を聞くことがあります。

高低差の敷地

でも、実際に土地を探している方からすると、

「その70点と思える土地すら見つからない......」

というのが正直なところかもしれません。

立地はいいけれど、土地が狭い。

価格は予算内だけれど、旗竿地。

広さは十分だけれど、高低差がある。

日当たりはよさそうだけれど、土地に予算をかけすぎてしまう。

土地を見れば見るほど気になるところが出てきて、「もう少し待てば、もっといい土地が出てくるのでは?」と決められなくなってしまうこともあります。

では、本当に「70点の土地なら買い」なのでしょうか。

私たちは、土地だけを見て70点、80点と点数をつけること自体が難しいと考えています。

なぜなら、土地は土地だけで暮らすものではないからです。

その土地にどんな家を建て、どんな暮らしができるのか。

土地・建物・予算まで一緒に考えてみると、一見するとマイナスに見えた条件が、必ずしも家づくり全体のマイナスになるとは限りません。

「70点の土地すらない」と感じるのはなぜ?


土地探しを始めると、どうしても土地を「減点方式」で見るようになりがちです。

・駅から少し遠いからマイナス。
・土地の形が整っていないからマイナス。
・高低差があるからマイナス。
・旗竿地だからマイナス。
・周囲に建物があるからマイナス。

もちろん、土地にはそれぞれ条件があります。

土地によっては造成工事などに費用が必要になったり、希望する建物を計画しにくかったりすることもあるため、条件をきちんと確認することは大切です。

ただ、気をつけたいのは、「条件がある土地=自分たちにとって悪い土地」とは限らないということです。

土地の条件だけを並べて減点していくと、最終的には「欠点のない土地」を探すことになります。

そして、求める条件が増えるほど、候補になる土地は少なくなっていきます。

土地は「土地だけ」で点数をつけられない


そもそも、土地探しの目的は「条件のいい土地を買うこと」でしょうか。

私たちは、その先にある「自分たちが望む暮らしをつくること」が本来の目的だと考えています。

そのため、土地を見るときには、

土地 × 建物 × 予算 × 暮らし

を一緒に考えることが大切です。

たとえば、土地だけを見れば90点と思える場所でも、土地価格が予算の多くを占めてしまい、建物で叶えたかったことを大幅に諦めなければならないのであれば、本当に自分たちにとって90点の土地なのかは考える必要があります。

反対に、土地だけを見れば「ちょっと難しそう」と感じる場所でも、その条件を設計で活かすことで、思っていた以上に自分たちらしい暮らしができることもあります。

大切なのは、土地の点数ではなく、家づくり全体で考えたときに自分たちが納得できるかどうかです。

一見マイナスに見える土地が、設計のヒントになることもあります


土地探しでは、

・「高低差がある」
・「旗竿地になっている」
・「土地の形が少し変わっている」
・「間口が狭い」
・「周囲を建物に囲まれている」

といった条件を見ると、候補から外したくなることもあると思います。

もちろん、どんな土地でも設計で解決できるわけではありません。

法規制や安全性、造成費用、建築費などを確認した結果、その土地をおすすめできないケースもあります。

一方で、一見するとデメリットに見える条件が、その土地だからできる設計につながることもあります。

ここからは、私たちが実際に設計した住まいを2つご紹介します。

道路から3.5m以上高い土地を、スキップフロアの住まいへ

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名古屋市緑区に建つ「高低差を活かした、スキップフロアの住まい。」は、道路から敷地まで3.5m以上の高低差がある土地に建っています。

高低差だけを見れば、土地探しでは気になる条件のひとつかもしれません。

この住まいでは、その高低差を単純に擁壁で平らにするのではなく、建物の中で高さを受け止めるようにスキップフロアを計画しました。

床の高さが少しずつ変化することで、リビング、ダイニング、キッチンがつながりながらも、それぞれに居場所が生まれています。

さらに、高さ制限が厳しい部分には天井を低くしたロフトを設け、収納や作業に使える場所として活用しています。

土地の制約をなくしてから家を建てるのではなく、その条件を住まいの特徴として取り込む。

土地と設計を一緒に考えることで生まれた住まいの一例です。

【WORKS】高低差を活かした、スキップフロアの住まい。


旗竿地+約5mの高低差。その先にあった「景色」を活かす

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もう一つは、瀬戸市に建つ「高低差の先に景色をひらく、旗竿敷地の住まい。」です。

こちらは土地探しから始まった家づくりで、予算とのバランスを考える中で出会ったのが、地域の貯水池に面した旗竿敷地でした。

さらに敷地の二方向には約5mの高低差があります。

「旗竿地」
「高低差」

土地の条件だけを並べれば、マイナスに感じる方もいるかもしれません。

ところが実際に敷地を読み解いてみると、高低差があることで隣接する建物が少なく、東側には遠くまで見渡せる景色がありました。

そこで、貯水池に面した南側は必要以上に開かず、眺めの良い東側へ大きく開くように設計しました。

約5mの高低差を避けるべき条件として考えるのではなく、周囲からの視線を外し、景色を暮らしに取り込むための条件として活かしています。

「旗竿地だから」「高低差があるから」と土地だけを見て候補から外していたら、この土地だからこそ得られる景色にも気づけなかったかもしれません。

【WORKS】高低差の先に景色をひらく、旗竿敷地の住まい。


土地の「弱点」と「特徴」は、見る角度によって変わる


この2つの住まいに共通しているのは、「条件の悪い土地でも何とか家を建てた」ということではありません。

高低差には、高低差だから考えなければならないことがあります。

旗竿地には、旗竿地だから確認しなければならないことがあります。

造成費用や建築費、法規制、安全性などを確認することも必要です。

そのうえで大切なのは、土地の条件を「ある・ない」だけで評価するのではなく、その条件が自分たちの家づくりにどう影響するのかを見ることです。

高低差がある。
だからダメ。

旗竿地である。
だからダメ。

ではなく、

「この高低差を設計でどう扱えるだろう?」

「この旗竿地だから得られるものはないだろうか?」

というところまで考えてみる。

そうすると、「減点するための土地探し」から「可能性を探す土地探し」へ、少し視点が変わってきます。

100点を70点に妥協するのではなく、自分たちの基準をつくる


「70点の土地なら買い」という言葉を聞くと、

「3割は妥協しなければいけないのか」

と感じる方もいるかもしれません。

でも、私たちはそういう意味で土地を考える必要はないと思っています。

土地探しで大切なのは、一般的な100点を目指すことではなく、自分たちにとって何が大切なのかを整理することです。

たとえば、

・絶対に譲れないこと
・できれば叶えたいこと
・設計で解決できるか確認したいこと

に分けて考えてみるのも一つの方法です。

「子どもの学校を変えたくない」

「通勤時間はこのくらいまでにしたい」

という条件は、設計では変えられません。

一方で、

「明るいリビングにしたい」

「外からの視線を気にせず過ごしたい」

「景色を楽しみながら暮らしたい」

といった希望は、土地の条件だけで可否を判断するのではなく、設計と一緒に考えられる可能性があります。

土地に求める条件と、家づくりで叶えたい暮らしを分けて考えてみる。

それだけでも、土地探しの選択肢が変わることがあります。

私たちは、土地と建物を分けて考えません


私たちは、家づくりを考えるときに「まず土地を決めて、その後に建物を考えればいい」とは考えていません。

大切にしているのは、まず「どんな暮らしをしたいのか」を整理することです。

そのうえで、

どんな土地ならその暮らしを実現できそうなのか。

その土地にはどんな特徴があるのか。

設計によって、どんな可能性が考えられるのか。

土地と建物を合わせると、資金計画は無理のない範囲に収まるのか。

こうしたことを一つにつなげながら考えていきます。

土地だけ、建物だけ、価格だけで判断するのではなく、完成した家で始まる暮らしまで含めて考える。

それが、私たちが土地探しでも大切にしていることです。

気になる土地を見つけたら「何点か」より確認してほしいこと

もし今後、気になる土地を見つけたら、

「この土地は何点だろう?」

と考えるだけではなく、

「この土地なら、どんな家づくりができるだろう?」

と考えてみてください。

自分たちだけでは判断できなければ、土地を購入する前に、住宅会社や設計者に見てもらう方法もあります。

そのときは「この土地はいいですか?」だけではなく、

・希望している暮らしは実現できそうか
・この土地で注意すべき条件は何か
・設計によって活かせそうな特徴はあるか
・土地以外にどのような費用が必要になりそうか
・土地と建物を合わせて予算内に収まりそうか

といったことまで確認できると、判断しやすくなります。

土地は大きな買い物だからこそ、簡単には決められないものです。

だから、焦って「70点だから買う」必要もありません。

一方で、100点の土地が現れるまで待ち続けることだけが正解とも限りません。

100点の土地を探すのではなく、土地と設計を合わせて、自分たちにとって100点に近い暮らしをつくれるかを考えてみる。

そんな視点を持つと、今まで「ちょっと違うかな」と思っていた土地にも、新しい可能性が見えてくるかもしれません。

Q&A|土地探しでよくある疑問


Q. 本当に「70点の土地なら買い」なのでしょうか?

一律に70点なら買うべきとは言えません。

大切なのは、その点数が何を基準につけられているかです。

立地や形、方角など土地単体の条件だけではなく、希望する暮らしが実現できるか、建物を含めた予算に無理がないかまで考えて判断しましょう。


Q. 旗竿地や高低差のある土地は避けたほうがいいですか?

土地ごとの条件によるため、一概には言えません。

造成や建築に追加費用が必要になる場合もありますが、今回ご紹介した実例のように、敷地条件を設計に活かせるケースもあります。

土地の形や高低差だけで候補から外すのではなく、購入前に専門家へ相談し、建物や費用まで含めて検討することをおすすめします。


Q. 土地を買う前に住宅会社へ相談してもいいですか?

土地を購入する前だからこそ確認できることがあります。

希望する建物が計画できそうか、どんな費用が想定されるか、土地の特徴を設計でどう活かせそうかなど、土地と建物を一緒に検討してから判断する方法があります。

土地の条件を活かした住まいを見てみる


「高低差がある」「旗竿地だから難しそう」と感じる土地でも、設計と一緒に考えることで、その土地ならではの暮らしが見えてくることがあります。

実際に私たちが手がけた住まいも、ぜひ「土地の条件を、設計でどう活かしたのか」という視点でご覧ください。

【WORKS】高低差を活かした、スキップフロアの住まい。

【WORKS】高低差の先に景色をひらく、旗竿敷地の住まい。


土地探しに迷ったら、建築士と一度整理してみませんか


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土地探しをしていると、

「この土地を買っても大丈夫だろうか」

「もう少し待ったほうがいいのだろうか」

「そもそも、自分たちは何を基準に土地を探せばいいのだろう」

と、判断が難しくなることがあります。

そんなときは、土地だけを見続けるのではなく、どんな暮らしをしたいのか、建物に何を求めるのか、予算をどう考えるのかまで一度整理してみることも大切です。

私たちの建築士相談会では、土地・資金・設計を別々に考えるのではなく、今の状況を確認しながら、自分たちに合った家づくりの進め方を一緒に整理します。

土地探しの途中でも、まだ具体的な候補地が決まっていなくても大丈夫です。

「土地を決めるための相談」ではなく、「自分たちは何を基準に判断すればいいのか」を整理するところから。

土地探しで少し迷い始めたら、建築士と話してみることも、次の一歩のひとつです。

【建築士相談会|家づくりの第一歩は、建築士と話すことから】