注文住宅の予算はいくらが適正?家を建てた後も無理なく暮らせる資金計画の考え方

こんにちは。
皆様の家づくりを素敵な思い出に導く、家づくりコーディネーターの纐纈 泰章です。

注文住宅を考え始めると、多くの方が最初に気になるのが「予算」のことではないでしょうか。

希望する家を建てるには、いくら必要なのか。
住宅ローンはいくらまで借りられるのか。
毎月いくらなら無理なく返していけるのか。

家づくりでは大きなお金が動くからこそ、「自分たちの場合、いくらまでなら大丈夫なのだろう」と迷うのは自然なことだと思います。

2026年9月24日に新建ハウジングで紹介された、注文住宅の購入経験者136人を対象とした調査でも、54.4%の方が、注文住宅を建てる際の資金計画に不安を感じたと回答しています。

さらに、不安を感じた方にその内容を尋ねると、最も多かったのは「希望のプランが予算内に収まるか」73.0%でした。

住宅ローンの金利や毎月の返済額ももちろん大切です。
ただ、その前に整理しておきたいのが、「そもそも自分たちにとって適正な住宅予算はいくらなのか」ということです。

先に結論をお伝えすると、注文住宅の適正予算は、住宅ローンで借りられる金額だけでは決まりません。

家を建てたあとも、自分たちらしい暮らしを無理なく続けられる金額かどうか。

家を建てた後も無理なく暮らせる資金計画をイメージした、緑とつながる注文住宅

そこまで考えて初めて、自分たちにとっての住宅予算が見えてきます。


注文住宅経験者の半数以上が「資金計画に不安」

今回紹介された調査では、注文住宅を建てる際の資金計画について、

  • とても不安を感じた:16.9%
  • やや不安を感じた:37.5%

となっており、合わせて54.4%が何らかの不安を感じていたことが分かります。

さらに、不安を感じた74人に具体的な内容を聞いたところ、次のような回答がありました。

不安に感じたこと 割合
希望のプランが予算内に収まるか 73.0%
住宅ローンの金利タイプ・金利選び 44.6%
毎月の返済額が家計を圧迫しないか 44.6%
返済期間の設定 33.8%
追加工事費用や諸経費など想定外の出費 32.4%

この結果を見ると、住宅ローンそのものだけではなく、「希望する家と、自分たちの予算をどう合わせればよいのか」という部分に大きな不安があることが分かります。

家づくりでは、建物、土地、外構、諸費用など、さまざまなお金が関係します。

希望を一つずつ足していくと、当初考えていた予算を超えてしまうこともあります。

だからこそ、家の仕様を決め始める前に、まず「自分たちは家づくりにいくら使うのか」という基準を持つことが大切です。


「借りられる金額」と「安心して返せる金額」は同じとは限らない

住宅予算を考えるとき、最初に住宅ローンの借入可能額を確認する方も多いと思います。

もちろん、住宅ローンでいくら借りられるのかを知ることは大切です。

ただし、金融機関から借りられる金額と、自分たちが無理なく返し続けられる金額は、必ずしも同じではありません。

住宅ローンの返済が始まっても、暮らしは続いていきます。

  • 子どもの教育費
  • 車の購入や買い替え
  • 旅行や趣味
  • 日々の生活費
  • 将来に向けた貯蓄
  • 老後の生活資金

これらのお金も必要になります。

「住宅ローンを返せるか」だけではなく、「住宅ローンを返しながら、どんな暮らしを続けたいか」まで考えることが、住宅予算を決めるうえでは重要です。


実際に多くの人が重視したのも「無理のない毎月の返済額」

同じ調査で「注文住宅の予算を決める際、最も重視したポイント」を尋ねたところ、最も多かった回答は、

「毎月の返済額が無理のない範囲であること」51.5%

でした。

「住宅にかける総額」を重視した人は24.3%です。

この結果からも、家づくりを経験した方の多くが、単純な住宅価格だけではなく、建てた後の毎月の暮らしを意識して予算を考えていたことがうかがえます。

家の価格が予算内に入っていることはもちろん大切です。

ですが、住宅ローンを返すことで、それまで楽しんでいたことをすべて我慢しなければならなくなったり、将来必要なお金を準備できなくなったりしてしまえば、それが本当に「無理のない家づくり」なのかは考える必要があります。


注文住宅の適正予算は「家」だけを見ても決められない

では、自分たちにとっての適正予算は、どのように考えればよいのでしょうか。

私たちは、住宅予算を考えるときには、次のような順番で整理することが大切だと考えています。


1.今の家計を確認する

まず確認したいのは、現在の収入と支出です。

毎月どのくらいのお金を使っているのか。
どのくらい貯蓄できているのか。
今後も続けたい暮らしには、どのくらい必要なのか。

住宅ローンだけを切り離して考えるのではなく、現在の暮らし全体から考えていきます。


2.これから必要になるお金を考える

現在の家計だけで住宅予算を決めてしまうと、将来の支出を見落としてしまうことがあります。

特に子育て世帯では、これから教育費が増えていく可能性があります。

そのほかにも、車の買い替え、家族旅行、老後資金など、それぞれの家庭によって今後必要になるお金は違います。

「家にいくら使えるか」を考える前に、「これからどんな暮らしをしたいか」を考える。

この順番が大切です。


3.無理なく続けられる住宅費を考える

現在と将来のお金を整理したうえで、毎月どのくらいなら住宅費として無理なく支払えるのかを考えます。

ここで大切なのは、「払える限界」を探すことではありません。

家を建てた後にも、安心して暮らし続けられる余白を残しておくことです。


4.その予算を土地・建物・その他の費用に配分する

住宅全体に使える予算が見えてきたら、その中から土地、建物、外構、諸費用などへ金額を配分していきます。

例えば土地に予算をかけすぎれば、建物に使える金額は少なくなります。

反対に、建物への希望を優先したいのであれば、土地の条件を少し広げて考える方法もあります。

大切なのは、それぞれを別々に考えるのではなく、家づくり全体の予算の中でバランスを見ることです。


「希望を削る」のではなく、優先順位を整理する

予算を決めるというと、「やりたいことを諦める作業」のように感じる方もいるかもしれません。

ですが、私たちはそうではないと考えています。

予算が分かることで、むしろ、

  • ここは大切にしたい
  • ここにはしっかりお金をかけたい
  • ここは工夫できそう
  • これは今でなくてもよい

という優先順位を考えやすくなります。

注文住宅だからといって、すべての希望を盛り込む必要はありません。

自分たちが大切にしたい暮らしに、どこまで予算を使うのか。

そこを整理することも、注文住宅の家づくりの大切なプロセスです。


KOKETSU A.D.では「家を建てた後の暮らし」から予算を考えます

KOKETSU A.D.では、家づくりの予算を考えるとき、建物だけを見るのではなく、その先の暮らしまで考えることを大切にしています。

私たちの目的は、家を建てることそのものではありません。

家というモノを通して、それぞれのご家族が望む暮らしを実現し、その先の人生が豊かになることを目指しています。

だからこそ、

「いくらまで借りられるか」ではなく、「いくらなら安心して暮らしていけるか」

という視点から資金計画を考えます。

土地、資金、設計、建築を別々に考えるのではなく、これからの暮らしまで含めて一つにつなげながら、自分たちで納得して判断できる状態をつくることが大切だと考えています。


土地や間取りを決める前に、予算の基準を持っておく

家づくりを考え始めると、土地を探したり、住宅会社を見たり、間取りを考えたりしたくなると思います。

もちろん、それも家づくりの楽しみの一つです。

ただ、その前に「自分たちは家づくりにいくら使えるのか」という基準があると、その後の判断がしやすくなります。

例えば土地を見るときも、

「この土地が買えるかどうか」

だけではなく、

「この土地を買ったあと、希望する暮らしを実現する建物にいくら使えるか」

まで考えられるようになります。

予算は、家づくりを制限するためのものではありません。

迷ったときに、自分たちに合った選択をするための判断基準でもあります。


まとめ|適正な住宅予算は「暮らし」から考える

注文住宅の予算に、すべての家庭に共通する「適正な金額」はありません。

収入が同じでも、家族構成、教育に対する考え方、車、趣味、働き方、将来の暮らし方によって、住宅に使える金額は変わります。

だからこそ、住宅予算を考えるときには、

  • 住宅ローンでいくら借りられるか
  • 家はいくらで建てられるか

だけではなく、

「家を建てたあと、自分たちはどんな暮らしを続けたいのか」

まで考えてみてください。

そのうえで住宅に使える金額を整理しておくと、土地選びや間取り、住宅会社との打ち合わせでも、自分たちなりの判断基準を持ちやすくなります。


「自分たちの場合はいくら?」を整理したい方へ

ここまで読んで、

「考え方は分かったけれど、自分たちの場合はいくらなら安心なのだろう?」

と思われた方もいるかもしれません。

KOKETSU A.D.では、外部のファイナンシャルプランナーと一緒に、家づくりに使える予算を整理する「家とお金の相談会」を行っています。

住宅ローンだけでなく、教育費や老後資金、これからの働き方や暮らし方なども含めながら、家を建てたあとも安心して暮らせる予算を考えていきます。

土地を決める前。間取りを考える前。
まず、自分たちなりの予算の基準を持っておくことで、その後の家づくりは判断しやすくなります。

まだ土地や間取りが具体的に決まっていなくても構いません。

「わが家の場合」をもう少し具体的に整理したい方は、家とお金の相談会についてご覧ください。

【家とお金の相談会について詳しく見る】


よくある質問

注文住宅の予算は年収から決めればよいですか?

年収は住宅予算を考えるための一つの材料ですが、年収だけで適正予算を決めることはおすすめしていません。同じ年収でも、家族構成や毎月の支出、教育費、車、貯蓄、今後の働き方などによって、無理なく使える住宅費は変わります。


住宅ローンで借りられる金額まで借りても大丈夫ですか?

住宅ローンで借りられる金額と、家計上無理なく返し続けられる金額は同じとは限りません。住宅ローン返済後にも必要となる生活費や教育費、貯蓄などを含めて判断することが大切です。


土地を探す前に資金計画をした方がよいですか?

土地から探す場合でも、先に家づくり全体の予算を整理しておくと判断しやすくなります。土地にいくら使うかだけでなく、土地を購入したあとに建物や外構、諸費用へいくら残せるかまで考えておくことが大切です。


まだ家づくりが具体的でなくても資金計画はできますか?

はい。土地や間取りが決まっていなくても、現在の収入や支出、これから想定される暮らしから住宅予算の基準を考えることはできます。早い段階で基準を持っておくことで、その後の土地探しや住宅会社選びでも判断しやすくなります。

参考:新建ハウジング「注文住宅の購入経験者、半数以上が『資金計画に不安』」2026年9月24日掲載