「70点の土地は買い」って本当?|土地探しで100点を求める前に考えたいこと

こんにちは。
皆様の家づくりを素敵な思い出に導く、家づくりコーディネーターの纐纈 泰章です。

土地探しをしていると、

「100点の土地はなかなかない」
「70点くらいの土地が見つかったら買い」

そんな話を聞くことがあります。

高低差の敷地

でも、実際に土地を探している方からすると、

「その70点と思える土地すら見つからない......」

というのが正直なところかもしれません。

立地はいいけれど、土地が狭い。

価格は予算内だけれど、旗竿地。

広さは十分だけれど、高低差がある。

日当たりはよさそうだけれど、土地に予算をかけすぎてしまう。

土地を見れば見るほど気になるところが出てきて、「もう少し待てば、もっといい土地が出てくるのでは?」と決められなくなってしまうこともあります。

では、本当に「70点の土地なら買い」なのでしょうか。

私たちは、土地だけを見て70点、80点と点数をつけること自体が難しいと考えています。

なぜなら、土地は土地だけで暮らすものではないからです。

その土地にどんな家を建て、どんな暮らしができるのか。

土地・建物・予算まで一緒に考えてみると、一見するとマイナスに見えた条件が、必ずしも家づくり全体のマイナスになるとは限りません。

「70点の土地すらない」と感じるのはなぜ?


土地探しを始めると、どうしても土地を「減点方式」で見るようになりがちです。

・駅から少し遠いからマイナス。
・土地の形が整っていないからマイナス。
・高低差があるからマイナス。
・旗竿地だからマイナス。
・周囲に建物があるからマイナス。

もちろん、土地にはそれぞれ条件があります。

土地によっては造成工事などに費用が必要になったり、希望する建物を計画しにくかったりすることもあるため、条件をきちんと確認することは大切です。

ただ、気をつけたいのは、「条件がある土地=自分たちにとって悪い土地」とは限らないということです。

土地の条件だけを並べて減点していくと、最終的には「欠点のない土地」を探すことになります。

そして、求める条件が増えるほど、候補になる土地は少なくなっていきます。

土地は「土地だけ」で点数をつけられない


そもそも、土地探しの目的は「条件のいい土地を買うこと」でしょうか。

私たちは、その先にある「自分たちが望む暮らしをつくること」が本来の目的だと考えています。

そのため、土地を見るときには、

土地 × 建物 × 予算 × 暮らし

を一緒に考えることが大切です。

たとえば、土地だけを見れば90点と思える場所でも、土地価格が予算の多くを占めてしまい、建物で叶えたかったことを大幅に諦めなければならないのであれば、本当に自分たちにとって90点の土地なのかは考える必要があります。

反対に、土地だけを見れば「ちょっと難しそう」と感じる場所でも、その条件を設計で活かすことで、思っていた以上に自分たちらしい暮らしができることもあります。

大切なのは、土地の点数ではなく、家づくり全体で考えたときに自分たちが納得できるかどうかです。

一見マイナスに見える土地が、設計のヒントになることもあります


土地探しでは、

・「高低差がある」
・「旗竿地になっている」
・「土地の形が少し変わっている」
・「間口が狭い」
・「周囲を建物に囲まれている」

といった条件を見ると、候補から外したくなることもあると思います。

もちろん、どんな土地でも設計で解決できるわけではありません。

法規制や安全性、造成費用、建築費などを確認した結果、その土地をおすすめできないケースもあります。

一方で、一見するとデメリットに見える条件が、その土地だからできる設計につながることもあります。

ここからは、私たちが実際に設計した住まいを2つご紹介します。

道路から3.5m以上高い土地を、スキップフロアの住まいへ

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名古屋市緑区に建つ「高低差を活かした、スキップフロアの住まい。」は、道路から敷地まで3.5m以上の高低差がある土地に建っています。

高低差だけを見れば、土地探しでは気になる条件のひとつかもしれません。

この住まいでは、その高低差を単純に擁壁で平らにするのではなく、建物の中で高さを受け止めるようにスキップフロアを計画しました。

床の高さが少しずつ変化することで、リビング、ダイニング、キッチンがつながりながらも、それぞれに居場所が生まれています。

さらに、高さ制限が厳しい部分には天井を低くしたロフトを設け、収納や作業に使える場所として活用しています。

土地の制約をなくしてから家を建てるのではなく、その条件を住まいの特徴として取り込む。

土地と設計を一緒に考えることで生まれた住まいの一例です。

【WORKS】高低差を活かした、スキップフロアの住まい。


旗竿地+約5mの高低差。その先にあった「景色」を活かす

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もう一つは、瀬戸市に建つ「高低差の先に景色をひらく、旗竿敷地の住まい。」です。

こちらは土地探しから始まった家づくりで、予算とのバランスを考える中で出会ったのが、地域の貯水池に面した旗竿敷地でした。

さらに敷地の二方向には約5mの高低差があります。

「旗竿地」
「高低差」

土地の条件だけを並べれば、マイナスに感じる方もいるかもしれません。

ところが実際に敷地を読み解いてみると、高低差があることで隣接する建物が少なく、東側には遠くまで見渡せる景色がありました。

そこで、貯水池に面した南側は必要以上に開かず、眺めの良い東側へ大きく開くように設計しました。

約5mの高低差を避けるべき条件として考えるのではなく、周囲からの視線を外し、景色を暮らしに取り込むための条件として活かしています。

「旗竿地だから」「高低差があるから」と土地だけを見て候補から外していたら、この土地だからこそ得られる景色にも気づけなかったかもしれません。

【WORKS】高低差の先に景色をひらく、旗竿敷地の住まい。


土地の「弱点」と「特徴」は、見る角度によって変わる


この2つの住まいに共通しているのは、「条件の悪い土地でも何とか家を建てた」ということではありません。

高低差には、高低差だから考えなければならないことがあります。

旗竿地には、旗竿地だから確認しなければならないことがあります。

造成費用や建築費、法規制、安全性などを確認することも必要です。

そのうえで大切なのは、土地の条件を「ある・ない」だけで評価するのではなく、その条件が自分たちの家づくりにどう影響するのかを見ることです。

高低差がある。
だからダメ。

旗竿地である。
だからダメ。

ではなく、

「この高低差を設計でどう扱えるだろう?」

「この旗竿地だから得られるものはないだろうか?」

というところまで考えてみる。

そうすると、「減点するための土地探し」から「可能性を探す土地探し」へ、少し視点が変わってきます。

100点を70点に妥協するのではなく、自分たちの基準をつくる


「70点の土地なら買い」という言葉を聞くと、

「3割は妥協しなければいけないのか」

と感じる方もいるかもしれません。

でも、私たちはそういう意味で土地を考える必要はないと思っています。

土地探しで大切なのは、一般的な100点を目指すことではなく、自分たちにとって何が大切なのかを整理することです。

たとえば、

・絶対に譲れないこと
・できれば叶えたいこと
・設計で解決できるか確認したいこと

に分けて考えてみるのも一つの方法です。

「子どもの学校を変えたくない」

「通勤時間はこのくらいまでにしたい」

という条件は、設計では変えられません。

一方で、

「明るいリビングにしたい」

「外からの視線を気にせず過ごしたい」

「景色を楽しみながら暮らしたい」

といった希望は、土地の条件だけで可否を判断するのではなく、設計と一緒に考えられる可能性があります。

土地に求める条件と、家づくりで叶えたい暮らしを分けて考えてみる。

それだけでも、土地探しの選択肢が変わることがあります。

私たちは、土地と建物を分けて考えません


私たちは、家づくりを考えるときに「まず土地を決めて、その後に建物を考えればいい」とは考えていません。

大切にしているのは、まず「どんな暮らしをしたいのか」を整理することです。

そのうえで、

どんな土地ならその暮らしを実現できそうなのか。

その土地にはどんな特徴があるのか。

設計によって、どんな可能性が考えられるのか。

土地と建物を合わせると、資金計画は無理のない範囲に収まるのか。

こうしたことを一つにつなげながら考えていきます。

土地だけ、建物だけ、価格だけで判断するのではなく、完成した家で始まる暮らしまで含めて考える。

それが、私たちが土地探しでも大切にしていることです。

気になる土地を見つけたら「何点か」より確認してほしいこと

もし今後、気になる土地を見つけたら、

「この土地は何点だろう?」

と考えるだけではなく、

「この土地なら、どんな家づくりができるだろう?」

と考えてみてください。

自分たちだけでは判断できなければ、土地を購入する前に、住宅会社や設計者に見てもらう方法もあります。

そのときは「この土地はいいですか?」だけではなく、

・希望している暮らしは実現できそうか
・この土地で注意すべき条件は何か
・設計によって活かせそうな特徴はあるか
・土地以外にどのような費用が必要になりそうか
・土地と建物を合わせて予算内に収まりそうか

といったことまで確認できると、判断しやすくなります。

土地は大きな買い物だからこそ、簡単には決められないものです。

だから、焦って「70点だから買う」必要もありません。

一方で、100点の土地が現れるまで待ち続けることだけが正解とも限りません。

100点の土地を探すのではなく、土地と設計を合わせて、自分たちにとって100点に近い暮らしをつくれるかを考えてみる。

そんな視点を持つと、今まで「ちょっと違うかな」と思っていた土地にも、新しい可能性が見えてくるかもしれません。

Q&A|土地探しでよくある疑問


Q. 本当に「70点の土地なら買い」なのでしょうか?

一律に70点なら買うべきとは言えません。

大切なのは、その点数が何を基準につけられているかです。

立地や形、方角など土地単体の条件だけではなく、希望する暮らしが実現できるか、建物を含めた予算に無理がないかまで考えて判断しましょう。


Q. 旗竿地や高低差のある土地は避けたほうがいいですか?

土地ごとの条件によるため、一概には言えません。

造成や建築に追加費用が必要になる場合もありますが、今回ご紹介した実例のように、敷地条件を設計に活かせるケースもあります。

土地の形や高低差だけで候補から外すのではなく、購入前に専門家へ相談し、建物や費用まで含めて検討することをおすすめします。


Q. 土地を買う前に住宅会社へ相談してもいいですか?

土地を購入する前だからこそ確認できることがあります。

希望する建物が計画できそうか、どんな費用が想定されるか、土地の特徴を設計でどう活かせそうかなど、土地と建物を一緒に検討してから判断する方法があります。

土地の条件を活かした住まいを見てみる


「高低差がある」「旗竿地だから難しそう」と感じる土地でも、設計と一緒に考えることで、その土地ならではの暮らしが見えてくることがあります。

実際に私たちが手がけた住まいも、ぜひ「土地の条件を、設計でどう活かしたのか」という視点でご覧ください。

【WORKS】高低差を活かした、スキップフロアの住まい。

【WORKS】高低差の先に景色をひらく、旗竿敷地の住まい。


土地探しに迷ったら、建築士と一度整理してみませんか


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土地探しをしていると、

「この土地を買っても大丈夫だろうか」

「もう少し待ったほうがいいのだろうか」

「そもそも、自分たちは何を基準に土地を探せばいいのだろう」

と、判断が難しくなることがあります。

そんなときは、土地だけを見続けるのではなく、どんな暮らしをしたいのか、建物に何を求めるのか、予算をどう考えるのかまで一度整理してみることも大切です。

私たちの建築士相談会では、土地・資金・設計を別々に考えるのではなく、今の状況を確認しながら、自分たちに合った家づくりの進め方を一緒に整理します。

土地探しの途中でも、まだ具体的な候補地が決まっていなくても大丈夫です。

「土地を決めるための相談」ではなく、「自分たちは何を基準に判断すればいいのか」を整理するところから。

土地探しで少し迷い始めたら、建築士と話してみることも、次の一歩のひとつです。

【建築士相談会|家づくりの第一歩は、建築士と話すことから】

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